校長あいさつ

御 挨 拶      

 本校は、昭和54年に、当時の妻沼町をはじめとする地域の皆様の熱い期待を担い、国宝に指定された「歓喜院聖天堂」で知られるこの地に開校されました。

 また、妻沼町は日本の女医第1号として知られる荻野吟子の生誕したところであり、坂東太郎・利根川の自然にも恵まれ、景観の優れた最高の立地条件を備えています。

 今年で41年目を迎える妻沼高校は、開校以来、「勤勉・努力」を校訓として、様々な課題を克服しながら、地域に根ざした学校づくりに取り組んでまいりました。特に、平成20年度に導入した埼玉県初となる基礎力強化のための学校設定教科「カルティベートタイム」は、今や妻沼高校の代名詞ともなり、つまずき解消と基礎学力の定着に大きな成果をあげています。

 妻沼高校の目指す学校像は、「母校を誇れる生徒を育てる学校」です。

 カルティベートタイムを更に深化させ、生徒1人1人を大切にしたきめ細かな指導に取り組み、母校を誇れる生徒を全力で育成してまいります。そして、地域に地域になくてはならない学校、地域の皆様方から愛される学校づくりに努めてまいります。

 どうぞよろしくお願いいたします。
  埼玉県立妻沼高等学校長 加藤 哲也      

卒業式

3月10日(火)に掲載します。

3学期始業式

 おはようございます。今日は、2つ話をします。

 一つ目は、イチロー選手についてです。

 イチロー選手は、記者とのインタビューの際、「よく人の二倍も三倍も努力してるって言われるけど、人の二倍も三倍も頑張れるわけがない。大事なのは自分の限界をちょっとだけ超えていく。そしてそれを続けていくことなんだ。」と話しています。つまり、イチロー選手は、ほかの誰かと競争しているわけではなく、昨日の自分ができなかったことを、今日の努力によって乗り越えていくということを実践しているのです。

 毎日の努力を1年間続けるとして、それを数式で表わせば「一の三百六十五乗」になります。1は何乗しても1なので、答えはもちろん「1」以外にあり得ません。

 しかし、毎日0.01だけ、つまり、1%だけ昨日の自分を超えていくとどうなると思いますか?

 1.01の三百六十五乗は、約38となります。例えば、昨日の自分を超える割合が2%になれば、一年後の成長は、1400にもなるのです。

 しかし、小さな成長の積み重ねが大きな進化につながるように、小さなサボりは大きな退化につながってしまいます。0.99の三百六十五乗はいくつになると思いますか?

 なんと、約0.03になってしまうのです。

 小さな頑張りは大きな進化につながる、そして、小さなサボりは大きな退化につながることをしっかり頭に入れておいてください。

 二つ目です。特に3年生は、よく聞いてください。それは、人との距離感の掴み方についてです。

  人との距離は、近すぎると相手も窮屈と感じ、逆に遠すぎると相手に不快感を与え、より一層距離を置かれてしまいます。何事もバランスが大切で、柔軟な距離感は人との関係を円滑にします。

 例えば、牛丼店に行ったとき、席が空いていれば、既に座っている人の隣には座らず、多くの人は一つ、二つ開けた席に座ります。行列待ちの時は、前の人にピッタリくっつかず、すこし隙間を開けて並びます。

 こうしたいわゆる目に見える距離感は、多くの人が大丈夫だと思います。

 心配なのは、目に見えない距離感です。

 皆さんは、よく、友達同士でじゃれっこをしていますが、相手がどこまで許しているのかをしっかり見極めずに限度を超え、トラブルになってしまうことがあります。相手の言葉や行動にキレて手を出したりするのは絶対いけないことですが、相手をキレさせない距離感を保つことも、とても重要です。

 つまり、お互い気心の知れた間であったとしても、立ち入ってはいけない領域、いわゆる心の距離感をきちんと保たなくてはいけないということです。特に3年生は、今後、同世代との付き合いが多かった高校時代とは異なり、縦の繋がりが増えてきます。

  人は一人では生きていけません。だからこそ、円滑な人間関係を築くこと、築けることがとても大切になってくるのです。

 そのためにも、皆さんには、常に相手の立場に立ち、今、どういう距離感を掴めばよいのか、特に、目に見えない、心の距離感をしっかり掴める人になって欲しいと思います。

2学期終業式

 おはようございます。 

 今日は、皆さんもよく知っているマンガ家が17歳の頃の話をします。彼が描いた短編マンガが準入選に選ばれ、担当の編集者がついてくれることになり、気をよくした彼は、九州から東京に上京してきました。当時は、すぐトップになれるぐらいの気持ちだったそうです。

 しかし、現実は、甘くありませんでした。

  作品のあらすじを提出しても、全然通らない。もちろん連載にはなりません。描いても描いてもボツになる・・・

  そうすると、壁がどんどん高くなってきます。「1週間で19ページも面白いマンガを描き続けるなんていうのは、人間にできる技じゃない。マンガ家になるべくして生まれた人にしかできないことなんだと思うようになってしまいました。 

 描いても描いてもボツになる。

 描いても描いてもボツになる。

 描いても描いてもボツになる

  彼は、ついには倒れて、1週間ほど体が動かなくなってしまったそうです。もう、マンガ家になることを諦めようとした。サラリーマンに今からなれるかなとも考えた。でも、そのとき、当時の担当編集者がこう言葉をかけてくれたのだとか。

 「こんなに頑張って報われなかったヤツを俺は今まで見たことがない。必ず報われる日がくる、と……。」

 マンガのことでケンカばかりしていたその編集者が、ふと言ってくれた言葉に、彼は大泣きをしたそうです。とことん泣いたら、「まだ頑張れるぞ」と、気力が湧いてきました。

  「泣く」という漢字は、「涙」のさんずいに「立」ち上がると書きます。涙のあとに立ち上がり、彼が描きあげた作品が・・・

 そう、皆さんも読んだことがある、あの国民的マンガ、「ONE PIECE」(ワンピース)です。

 彼の名前は、尾田栄一郎さんです。

 人生というシナリオには法則があります。

 トコトンまで頑張って、それでも結果は出ず、「もうダメだ」と力尽きるその瞬間、人生を変えるシーン(名場面)と、必ず出会えるようになっているのです。 まさに「ONE PIECE」の世界観そのものです。

  皆さんには、ちょっとやってあきらめるのではなく、力尽きるまで頑張ってみる、そんな人生を送って欲しいと思います。

 話は以上です。

1学期終業式

 おはようございます。

 これは、半世紀以上(50年以上)も連れ添った妻に先立たれた男性の話です。

 彼は、お葬式を終え、故郷である鹿児島県のお寺に納骨するため、羽田空港から飛行機で九州に向かっていました。

 彼は、遺骨を機内に持ち込めることは知っていましたが、遺骨を入れたバッグがかなり大きかったため、念のため搭乗手続きの際、バックの中身が遺骨であることを伝え、機内に乗り込みました。そして、上の棚にバッグを入れて席に座りました。

 すると、客室乗務員がやって来てこう言いました。

 お隣の席を空けております。お連れ様はどちらですか?

 搭乗手続きで係員に伝えたことが、機内の乗務員に伝わっていたのです。

 男性が、上の棚に置いてありますと伝えると、乗務員はバッグごと下ろしてシートの上に置き、バッグにシートベルトを締めてくれました。しかも飛行中には、「お連れ様の分です」と、飲み物も出してくれたそうです。その男性は、「最後に2人でいい“旅行”ができた」と、乗務員に感謝の気持ちを伝えたそうです。

 おそらく、こういう対応は、マニュアルにはないはずです。むしろ、職場の規則に反することかもしれません。しかし、その航空会社では、誰も乗務員の行動をとがめたりはしなかったとのことです。

 マニュアルは基本でしかありません。それを超えるところに感動があり、お客様へのおもてなしの心があります。これが、「安全な空の旅」を仕事としている人たちのプライドで、乗務員の「お客様の心を感じる」ことから生まれているのです。

  相手の心を感じることができれば、もし自分が相手の立場だったらと考えることができれば、もっともっと世の中は良くなっていきます。もちろん、妻沼高校も、もっともっといい学校になっていきます。

 そのためにも、皆さんには、心づかいと思いやりをもった人になって欲しいと思います。

 航空会社のように、亡くなった奥様のことを気遣って、席を用意することはできなくても、自分がされたら嬉しいことを相手にもしてあげることはできます。そして、自分がされたら嫌なことは、決してしないこともできます。たったこれだけのことですが、大きく人間関係が変わってきます。心づかいと思いやりの心があれば、世界でさえ救うことができます。私はそう思います。

 充実した夏休みを過ごしてください。話は以上です。